2006年08月30日:ある意味"まっとう"すぎる、"恐ろしい"本
  いやはや、恐ろしい本を読んでしまった。 「支配的なグループに属する人びとが、従属的なグループの人びとの家庭への立ち入りを許され、プライベートないとなみを観察し、自分たちが見たことを記録し、そして、自分たちの観察を他のミドルクラスの援助者のネットワークと共有した。これまでに見てきた事例と同じく、お定まりの主体/客体の二分法が成立し、ソーシャルワーカーはまったくそれに安んじることができる…
2006年08月28日:発酵段階を超えて
  今日はひさびさの休日モード。お昼までのんびり寝て、その後、大掃除モード。とにかくここしばらく、部屋が散らかりまくっていたので、BGMに「歌でしか言えない」(by中島みゆき)をかけながら、食器洗いからテーブル、居間とサクサク片づけていく。掃除モードに中島みゆき、ってのも何なのだが、まあ僕にとって、高校生のころから元気を奮い立たせるのが彼女の歌声だったので、別に何の不思議もない。しかもこ…
2006年08月23日:何のための研究?
  今週の前半は関西で調査をしていた。 以前から追いかけているフィールド地で久しぶりに丸2日、じっくり腰を据えて、色々お話を聞く。どんな現場でも「何となくブラブラする」なかで、色んな人とお話しする中で、様々な光景を垣間見る中で、少しずつ課題や論点を探っている僕にとって、この「ブラブラ」は大切な時間だ。今の自分の仕事のスタイルは、現場で伺う様々なエピソードから論点を絞り出し、何らかの考察に…
2006年08月20日:想いを描く創作、とは
  金曜の夜、あるドキュメンタリーに釘付けになっていた。 昔からテレビのドキュメンタリーが好きで、若い頃、こういう映像を作る人になりたい、と憧れていたこともある私にとって、この番組の主人公である木村栄文氏の語りには、グイグイ引き込まれていった。なによりも、一番心が揺さぶられたのが、次のフレーズ。 「ドキュメンタリーとは、自分の想いを描く創作である」 不偏不党、客観性、事実をありのままに伝…
2006年08月19日:小手先の地域移行?
  この間から折に触れてこのブログでも書いていた、問題の多い「退院支援施設」について、ここ最近様々な動きが出ているので、まとめてご紹介しておこう。 まず、この問題のことをよくご存じない方は、昨日、今日と読売新聞が丹念に取り扱っている。【短い版】 と【詳しい版】 取材をされた大阪科学部の原さんは90年代の大和川病院事件からずっと取材を続けてこられた敏腕記者。内容も、迫り方も、まさしく本質を…
2006年08月16日:評価の難しさ
  今日もあっという間に時間が過ぎていく。 朝一番から研究室に籠もり、午前中は紀要の追い込み。もともと「予定枚数40枚」なんて書いて提出していたが、出てきたものは、その倍の80枚! 実はまだ止まらず、さらにある視点で書き続けることも不可能ではないのだが、なんぼなんでも長すぎるし、少しバテてきた。とりあえず80枚で止めることにして、残りの部分はしきり直して、次回の宿題とする。こうして宿題原…
2006年08月15日:一人で開けて入る
  日曜日は京都駅前のホテルで高校時代の同窓会に出ていた。何人かの連れとは2,3年に一度は飲んだりするのだが、同窓会自体は10年ぶり。「ひとをつなぐ」というお仕事をしている副委員長のハヤシ君が、ご丁寧にはがきや電話で知らせてくれたので、10年ぶりなのに結構多くの人々の消息がつかめた。ハヤシくんの議員秘書としての有能さも推測出来る。残念ながら当日やってきたのは15人程度だったが、でも大いに…
2006年08月12日:「くだ巻くだけじゃなくて」
  昨日は東京に一日出張で、暑くてグッタリ。今朝は久しぶりにゆっくり寝る。お昼は素麺を湯がき、午後は大学で〆切がとうに過ぎている紀要と格闘。 精神病院の入院患者の権利がいかに「剥奪」されているか、を、NPO大阪精神医療人権センターに寄せられた「入院患者さんの声」の分析から明らかにする、という縦糸は定まっていた。だが、論文として分析するには、横糸となるもう一つの柱が必要だなぁ、と感じていた…
2006年08月12日:忘れずに考え続けるために
  先ほど、公開初日の「ユナイテッド93」を見てきた。 この映画や「ユナイテッド93」の事件に関しては、実に様々な角度から、正反対のコメントや指摘がされている。それらの評価を紹介する前に、僕の感想を少し述べておくと、「2時間全く息つく間もなかった」「映画終了後の数時間後の今も、心にズシンと残っている」ということである。 この映画や事件に関する主な賛否のコメントは次の通り。Takuya i…
2006年08月08日:移行期の支援
  日曜日に長野で知事選があった。その日は丁度長野で調査の日。田中知事の県政下で、入所施設から地域移行を果たした知的障害を持つご本人への聞き取り調査をしていた。 選挙結果はご案内の通り、現職の田中知事が破れ、村井氏が新しい知事となることに決まった。長野で聞き取り調査を終えて帰宅した我が家でこの速報を眼にしながら、「新しい知事でもこの地域移行の取り組みはずっと続けてほしいな」と思っていた。…
2006年08月04日:誰の何を調べるのか
  「私は『自閉症の特異な記憶力』などと呼ばれて学者の間で珍重されてきた現象も、もっと私たちがふだんしている現象の中で理解すべきものではないのかとずっと感じてきた。そしてあるときにふと、『自閉症の特異な記憶力』というのも、『特異な記憶力』なのではなく、彼ら特有の『記憶術』によて覚え込まれているものなのではないかということに気がついた。そう考えることで、彼らと自分の距離はうんと縮まったし、…